|

税理士TOP税金用語集>同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき

同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき


[平成21年4月1日現在法令等]


役員又は使用人に退職金を支払うとき、同じ年に既にほかの会社などから退職金をもらっていることがあります。
また、一つの会社を退職するとき、同時に2か所以上から退職金が支払われることもあります。これらの場合には、支払者は他の会社などが支払った退職金も含めて、源泉徴収税額を計算しなければなりません。
このため支払者は、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」(以下「受給に関する申告書」といいます)の提出を受けてください。既に他の会社な どから退職金をもらっている場合には、「退職所得の源泉徴収票」も合わせて提出を受けてください。この場合、「受給に関する申告書」には、以前に支払を受 けた退職金等の額、源泉徴収された税額、支払年月日及び勤続年数等を記入してもらってください。
同じ年に2か所以上から退職金当をもらったときの勤続年数は、それぞれの勤続期間のうち、最も長い期間により計算します。ただし、その最も長い期間以外 の期間のうちにその最も長い期間と重複していない期間がある場合は、その重複しない部分の期間を最も長い期間に加算して勤続年数を計算します。この勤続年 数に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。
源泉徴収すべき所得税の額の求め方は、設例のとおりです。


(設例)
甲さんは、平成21年にA社とB社を退職しました。勤続期間及び受給した退職金等は次のとおりです。
A社 就職日:平成12年4月1日 退職日:平成21年3月31日
退職金支給月:平成21年5月
退職金支給額:400万円
「受給に関する申告書」を支払者の提出済みです。
B社 就職日:平成14年4月1日 退職日:平成21年7月31日
退職金支給月:平成21年9月
退職金支給額:180万円
「受給に関する申告書」及びA社から交付を受けた退職所得の源泉徴収表は支払者へ提出済みです。

1 A社の場合

甲さんは、その年最初の退職金の受給となるので、A社は以下のとおり勤続年数(就職日から退職日)を計算し退職所得控除額を計算した上で、源泉徴収すべき所得税の額を計算します。


  • イ 勤続年数の計算
    勤続年数は、平成12年4月1日から平成21年3月31日ですから9年となります。
  • ロ 退職所得控除額の計算
    退職所得控除額は、次の表のとおりです。

    勤続年数


    退職所得控除額


    20年以下


    40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)


    20年超


    800万円+70万円×(勤続年数-20年)



    40万円×9年=360万円
    退職所得控除額は、360万円になります。
  • ハ 課税退職所得金額の計算  退職金支給額から、上記ロで計算した退職所得控除額を差し引いた金額を2分の1にします(2分の1にした金額に千円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます)。
    (400万円-360万円)×1/2=20万円
    課税退職所得金額は、20万円になります。
  • ニ 源泉徴収すべき所得税の額の計算
    上記ハで求めた課税退職所得金額に応じた所得税の税率を掛けます(求めた税額に百円未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てます)。
    20万円×5%(所得税率)=1万円
    A社が源泉徴収すべき所得税の額は、1万円となります。

2 B社の場合

甲さんは、その年2か所目の退職金の受給となりますので、B社では既に支払を受けたA社からの退職金も含めて源泉徴収すべき所得税の額を計算します。


  • イ 勤続年数の計算
    甲さんの最も古い就職の日から今回の退職の日までの期間となりますので、最も古いA社の就職の日平成12年4月1日からB社の退職の日平成21年7月31日までの9年4ヶ月となりますが、1年未満の端数は1年に切り上げますので、勤続期間は10年になります。
  • ロ 退職所得控除額の計算
    上記退職所得控除額の表に基づき計算すると
    40万円×10年=400万円
    退職所得控除額は400万円になります。
  • ハ 課税退職所得金額の計算
    A社とB社の退職金を合計した金額から、上記ロで計算した退職所得控除額を差し引いた金額を2分の1にします(2分の1にした金額に千円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます)。
    {(400万円+180万円)-400万円}×1/2=90万円
    課税退職所得金額は、90万円になります。
  • ニ 源泉徴収すべき所得税の額の計算
    上記ハで求めた課税退職所得金額に応じた所得税の税率を掛けます(求めた税額に百円未満の端数がある場合にはその端数を切り捨てます)。
    90万円×5%(所得税率)=4万5千円
    A社の退職金について源泉徴収された所得税の額1万円を差し引きます。
    4万5千円-1万円=3万5千円
    B社が源泉徴収すべき所得税の額は、3万5千円になります。

    (注) 1回目の退職金に対する税額を差し引いた結果、源泉徴収すべき所得税の額がマイナスになったときは、源泉徴収義務者は、源泉徴収をしないで退職金をそのまま支払ってください。
    この場合、マイナスの金額の還付を受けるためには、退職金の受給者本人が後日確定申告をする必要があります。


なお、「受給に関する申告書」の提出を受けていない場合には、退職金の支給額(退職所得控除額の控除前の金額)に20%の税率を乗じて所得税を源泉徴収しなければなりません。
この源泉所得税は、退職金等の受給者本人が後日確定申告を行い、所得税の額を精算します。


(通法119、通令40、所法30、201、203、所令69、所規77、所基通201-2)

問い合わせフォーム

Copyright (C) 2007-2010 税理士紹介パートナー All Rights Reserved.